今回は住宅ローンと偽って、投資用不動産を購入するスキームの問題点とリスクに関して筆者なりの考えをお伝えします。
キーワードは【住宅ローン】と【悪質な不動産会社】
ー住信SBIにて不正利用発覚かー
1月10日の日経新聞にて、“住信SBI、住宅ローン偽った不正利用発覚か”という記事が掲載されました。
内容としましては、同行の銀行代理店であるSBIマネープラザを通じた融資で、住宅ローン向けの融資が不動産投資で使用されていたとのこと。
現在までの調査では、同行の行員や代理店の社員が不正に関与してないみたいです。
住宅ローンは、借り入れ希望者自身が居住することを前提としています。
その為、入居状況によって返済原資である家賃収入が増減する投資用不動産を購入する人向けの融資よりも、リスクが少ないので、一般的に金利が低くなります。
そこを悪用し、意図的に低金利での融資で投資用不動産を購入していたことになります。
ー住宅ローンスキームの問題点ー
投資用不動産を居住用として、ローンを引くにはクリアしないといけない点があります。
- ①居住が前提となる為、住民票を移さなければなりません
- ②物件の広さが限られる
- ③物語をつくらないといけません
手間がかかりますし、その後引っ越したという体にして、住民票をまたどこかに移さなければなりません。
居住用なので、住宅ローンとして引くには、一定の規定があります。
その為、単身用の住宅などでは規定を満たさず買えないこともしばしばです。
既に住宅ローンを引いている人などでは、なぜそこの物件に引っ越すのか物語をつくらないといけません。
さらにその後、なぜその物件から引っ越すのかも考えないといけません。
ー悪質な不動産会社ー
今回、表面化してきた住信SBIの問題は、はっきりいって氷山の一角です。
2~3年前は住宅ローンを引いて、投資用不動産を買うことが正義とされていた時代でした。
※他にも多法人で借り入れを起こすスキームもありました。気になる方は調べてみては如何でしょうか。
筆者も不動産業者からの住宅ローンスキームの営業を受けましたし、そのスキームで物件を購入できないかと考えたこともあります。
当時の肌感覚として、かなり多くの人が不動産会社の営業によって、住宅ローンスキームで購入していると思います。
その為、これからまだまだこういった話は出てくると思います。
筆者は、住宅ローンと偽り投資用不動産を購入していると、銀行を騙しているわけですし、最悪一括返済などを求められるリスクもあると思い、当時思いとどまりました。
直近こういった話が出ていますので、そのスキームで購入していた人に対しては、新たな借り入れが困難になっているようです。
悪質な不動産業者は、その時販売して手数料を得ると、後は知らないっといった形のようで、そういった業者によって、世の中の融資状況と個人の融資状況が悪くなっていくのだと思います。
ー総括ー
上記のように、不動産業者によってはグレーゾーンなスキームなどで、あの手この手を使って不動産の購入にもっていくところもあります。
そうやって、当時にそのスキームで購入した人は、現在借り入れに困ったりしています。
自分で勉強することはもちろんですが、関わる不動産業者には注意をしていきましょう。