客室乗務員の理想と現実
皆さんは客室乗務員という仕事にどのようなイメージをお持ちですか?
華やかな仕事?!
客室乗務員と聞くと、「華やかな仕事」というイメージを持ってくださる方もいるかもしれません。
確かにバブルの時代には高給取りで高嶺の花でしたが、今はそうではありません。
アルバイトをしなければ生活できない客室乗務員が多々いる会社もあると聞いた事があります。
客室乗務員という仕事を利用して、ステイ中に世界で買い付けを行いバイヤーをしているCAがいると聞いたこともあります。
私も新人の頃は、空港の近くに今の家賃の半分で暮らしていましたが、恥ずかしながら親に仕送りをしてもらっていました。
最近では、後輩からお給料の相談をされたり、今後のキャリアアップについて相談されることが多いです。
インターネットで調べると
「客室乗務員の平均年収は、400万円」
と書かれています。
客室乗務員と言っても、新人と客室責任者ではかなりお給料に差があります。
また、乗務した時間によって乗務手当が基本給に上乗せされるので、フライトした時間によっても異なります。
世界中を旅行できる?!
客室乗務員の仕事の魅力の一つに「世界中でステイができる事」と言ってくださる方もいます。
ステイ中はもちろんお給料も発生し、タクシー代や食事代などを含めたお小遣いのようなものがもらえます。
ステイ中は、家の光熱費はほとんどかからないので節約にもなります。
しかし、現地ツアーに参加したり、ついついお買い物をしてしまうと使い過ぎてしまいます。
一つの場所に3回行けば大体飽きるので、後はステイ中はホテルで引きこもり生活というのは、よく聞きます。
働く環境について
続いて、CAさんの働く環境について見ていきます。
家族の理解が必要なママさんCA
女性が多く働く職場ということもあり、福利厚生はしっかりしている会社が多いです。
しかしながら、客室乗務員は妊娠が発覚した時点で乗務はできず、希望すれば産休まで事務の仕事ができますが、給料はかなり低いです。
産後も仕事を続けるママさんCAもいます。ある程度勤務時間に融通は効きますが、天候や機材整備で急にステイになることもあります。
また、フライト中はもちろん電波も届かず、すぐに子供を迎えに行くこともできません。
その為、ご家族の協力や理解が必要な仕事でもあります。
CAは体力勝負
客室乗務員は、フライトすればするほど稼げますが、比例するように体への負担も増えます。
立ち仕事ではありますが、それ以上に気圧の影響で身体への負担も大きいです。
また、不規則な労働時間により、睡眠時間をコントロールする必要があります。私はどこでも3秒で寝れるので困ることは無いですが、布団に入ったまま一睡もできずにフライトにのぞむ方もいらっしゃいます。
その為、休みの日やステイ中は、死んだように一日中寝てるという客室乗務員もいます。
怪我や気圧の変化による航空性中耳炎になると乗務できません。フライト中の負傷以外は、欠勤扱いとなり治療費に加えて、お給料も出ません。
憧れの会社だったのに
私の周りにも中東の大手航空会社で世界を飛び回って、月に100時間以上飛んでいるCAがいます。
今では、キャリアを積みビジネスクラスやファーストクラスを担当しています。
中東の航空会社は、航空業界のトップであり、客室乗務員の皆が憧れる航空会社のイメージです。
お給料も良く、福利厚生もとても良いです。
その友人と会うといつも、
「もう体力的にも疲れて、早く辞めて日本に帰りたい。」
「同期の日本人もほとんど辞めたし、もう日本で事務とかやりたい。」
と言っています。
それだけこの仕事を長く続けることは、難しいです。
航空会社によっては、契約社員として雇用し、契約の継続はなく、契約期間しか働けない会社もあります。
客室乗務員のセカンドステップ
客室乗務員は、離職率がとても高い仕事です。
客室乗務員として、同じ会社で教官や管理職へステップアップする方はとても少ないです。
セカンドキャリアは個人によって様々です。
自分の憧れていた航空会社へ転職する方もいます。
結婚や出産で退社される方もいます。
他業種の仕事へ転職される方もいます。
他業種への転職したCAは、転職先の職種が限られる為、転職が難しいと言っていました。
マナー講師や受付や秘書として働く元CAをよく聞きます。
私の同期は、入社時の半分の人数になりました。
そのほとんどが他社への転職(CA)と寿退社です。後は、他社のパイロットに転職された方が一名です。
お金かやりがいか
私はこの仕事が大好きで、今でも毎日フライトが楽しいので、辞めることはないと思います。お給料以上のやりがいや魅力のある仕事であることは間違いないです。
だからこそ専門学校やスクールに通って、自分の憧れの航空会社を目指す人が多いのだと思います。
また、私は教員免許を取得し、教師を目指していたこともあるので、「客室乗務員のインストラクター」として仕事ができることは、私にとって天職です。
しかしながら、安定的にお金をしっかり貯めるのであれば客室乗務員の仕事は不向きかもしれません。
私はその両方を求めた結果、客室乗務員をしながら不動産を購入することに決めました。